来年2月に退任を控え、自身最後となる利上げに踏み切る米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長(71)。超低金利政策から転換し、2015年に利上げに踏み切るなど「ポスト金融危機の組織運営に手腕を発揮した」(エコノミスト)と評価も高い。在任中最後となる13日の記者会見では、「長年、FRBに勤めることができて光栄だ」と語った。
FRBは08年の金融危機後、景気を支える緊急策として政策金利をゼロに引き下げ、大量の資金を市場に流す量的緩和を導入。14年2月に就任したイエレン氏は、米経済の回復度合いをにらみながら量的緩和などを終わらせる「正常化」に取り組んできた。
FRB議長の発言は世界の金融市場に影響が及ぶ。議長の「市場とのコミュニケーション能力」は重要な資質だが、手堅く進めた。
イエレン氏は労働経済学の専門家でもある。議長就任時に6%台後半だった失業率は、今年11月には4.1%と17年ぶりの低水準に改善した。「ここで達成できたことを前向きに捉えている」と述べたイエレン氏は、笑顔で最後を締めくくった。
(ワシントン 塩原永久)