
混雑する関西空港の国際線到着ロビー=大阪府泉佐野市【拡大】
個人で旅行を手配する中国人旅行者は、1人当たりの消費額が25万1159円と外国人平均の14万339円より高額だ。逆に1人当たりの宿泊料は1泊1万2928円と平均の1万2462円並みで、団体ツアーの中国人の2万1794円よりも低くなっている。リピーターの個人旅行者ほど宿泊費を抑えて、他の消費に費用を回す傾向にあるようだ。7~9月の訪日外国人旅行者の宿泊利用動向調査で、「有償での住宅宿泊」いわゆる民泊の観光客の利用率は14.9%で、中国人は14.3%であった。中国人は旅行に行く際、知人などと大勢で行動をともにすることが多く、できれば移動も宿泊も一緒に行動したいというニーズが強い。
合法かどうかは別にして、彼らの日本旅行の際の大きな懸念となる「交通手段」と「宿泊」の問題を解決しているのが、スマホのアプリを利用したサービスでもある。ライドシェアだと「皇包車」など、民泊だと「途家」などが、訪日中国人の間で既に利用されている。前述の空港送迎の白タク行為もスマホのアプリを利用して行われている。皇包車のサイトには、荷物が十分積み込めるミニバンの送迎サービスが数多く掲載されているし、空港への送迎だけでなく観光地への周遊コースも掲載されている。一方、途家のサイトには大人数が一緒に泊まれるマンションの部屋が数多く掲載されている。宿泊料金も、一部屋いくらで表示されており分かりやすい。これらの料金は全て元建てで、スマホアプリの決済で完結するため、日本円に両替する必要もない。