
消費税率の引き上げは増税の衝撃に耐えうる強い経済基盤を築けるかにかかっている=東京都千代田区【拡大】
安倍首相は、消費税増税が景気に与える甚大な影響を踏まえ、当初は15年10月に予定した10%への引き上げを2度延期してきた。ただ、19年10月の10%への引き上げは予定通り行われるとの見方もある。
昨年の衆院選で、増税分の使途を組み替え、一部を幼児教育無償化などの財源に充てる公約を掲げたためだ。安倍首相も昨年11月21日の衆院本会議で「中止することはない」とし、予定通りの実施を示唆した。
ただ、過去の増税を振り返ると、いくら経済対策を講じても消費を冷え込ませた経緯がある。このため安倍首相は、増税の影響を緩和できる「賃上げ」の浸透を目指し、18年春闘で経済界に3%以上の実施を要請した。
賃上げが浸透し、消費喚起型のデフレ脱却につなげられるかが、予定通りの増税に向けた鍵を握る。(今井裕治)