【高論卓説】いまさら聞けない仮想通貨の問題点 保証ない「子供銀行券」のようなもの (2/2ページ)

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 次に「価値の交換」は、仮想通貨を使える場所が非常に限定的で、値動きの大きさからリスクが高く取り扱いをやめる代理店も増えている。また、弱小通貨は、ほとんど使える場所がない。「価値の基準」に関して、これだけ値段が乱高下すれば、基準値を設定すること自体難しい。このように通貨の三機能をそろえていない以上、通貨と呼ぶこと自体が間違いともいえる。だから、日本の当局は「仮想通貨」を商品とみなしているのだ。

 また、仮想通貨にはもう一つの大きな問題点が存在する。それは国家など規制当局の監視が難しい点である。インターネットという国境のない世界で利用されているため、一種の「地下銀行」として、国境をまたいだ為替取引に利用できる。例えば自国通貨で仮想通貨を買い、他国の市場でそれを売れば、現地通貨が手に入る。これは資金流出を恐れている国にとって大きな脅威になるのである。

 そして、その匿名性から、テロ組織や犯罪に使われている側面もある。実際に、身代金を払わないとコンピューターを破壊するという「ワナクライ」ウイルスの身代金として、ビットコインが使われていた。国家に敵対する以上、規制する動きが出るのも当然の話であり、これから、G7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)などで話し合われる予定である。

【プロフィル】渡辺哲也

 わたなべ・てつや 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は『突き破る日本経済』など多数。48歳。愛知県出身。