消費増税控え高まる補正圧力 景気冷やさずどう財政健全化…試される本気度 (2/2ページ)

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 背景にあるのが消費税増税。増税後の消費後退を防ぐため、与党内では大型の補正予算を切れ目なく編成すべきだとの意見も根強い。本来は借金の返済に回る分が、景気対策を理由に補正予算の財源に振り向けられればPB黒字化はさらに遠のく。

 政府は昨年、財政再建の指標として国内総生産(GDP)に対する債務残高比率の引き下げも重視する方針を示した。この比率はGDPが増えれば下がるため景気優先の財政出動の根拠となる可能性もある。

 25年には団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護費が急増する。景気への目配りは当然必要だが、歳出の徹底改革を通じた財政健全化との両立も持続的な経済成長のために欠かせない。(中村智隆)