【専欄】北京の空、灰色から青へ戻るも… 中国の「脱石炭」政策に凍える庶民 ノンフィクション作家・青樹明子 (2/2ページ)

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 さすがに行政側も、対策に乗り出した。まずは、気温が比較的温暖な中国西部の大型化学工場を少なくとも4カ月間、操業停止とした。そこで使用する予定だった天然ガスを、北方の家庭と学校の暖房用に回すことにしたという。犠牲になっているのは子供たちだけではない。石炭を売る者、燃やした者は、どんな状況かにかかわらず、即刻罰せられていく。

 山西省の某工場労働者は、あまりの寒さに禁じられた石炭を使ったのが発覚し、直ちに逮捕、勾留された。山東省の貧しい農民は、石炭からガスに変える費用がなく、生活の糧であるたった一頭しかいない羊を代金として持っていかれた。

 そして政策は迷走する。変更に次ぐ変更で「あまりに場当たり的」と、庶民から怨嗟(えんさ)の声が上がる。暖房のない冬は、降雪に霜を加えたようなものだといわれる。北京の青空の下、今日も誰かが凍えている。