年金額、18年度据え置き 物価は上昇、家計に苦しく

 厚生労働省は26日、2018年度に支給する公的年金額を17年度と同じ水準に据え置くと発表した。物価は上昇しているが、年金額改定の指標の一つである過去3年間の賃金が平均でマイナスとなったためだ。据え置きは2年ぶり。17年度は前年度比0.1%の減額だった。

 この日公表された17年1~12月平均の消費者物価(生鮮食品を含む総合指数)はプラス0.5%と上昇傾向にあり、据え置きだと年金の価値は目減りする。年金収入だけで暮らす高齢者の家計はやや苦しくなりそうだ。

 自営業者やパート従業員らが加入する国民年金の4月からの保険料額も発表。賃金低下を反映して現在より月額150円引き下げ、1万6340円となる。厚生年金の保険料率は18.3%(労使折半)で変わらない。

 4月分(受け取りは6月)以降の年金額は、国民年金で40年間保険料を納め続けた満額の人の場合、月6万4941円。会社員や公務員が加入する厚生年金は、標準的な夫婦世帯(夫が平均的な給与で40年働き、妻は専業主婦)で月22万1277円支給される。

 公的年金には、少子高齢化に合わせて支給水準の伸びを抑える「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みがあるが、規定により18年度は発動されない。同スライドに基づく0.3%の支給抑制を見込んでいたが、据え置きとなることから、16年の法改正で導入された繰り越し措置を適用する。19年度以降の景気回復時に、支給抑制幅が0.3%大きくなる。