クルーズ人気の波に乗る 和歌山県、インセンティブ制度導入で入港の促進目指す (1/2ページ)

平成28年に新宮港に寄港したフランスのクルーズ船。県ではこうしたクルーズ船を積極的に誘致している=和歌山県新宮市
平成28年に新宮港に寄港したフランスのクルーズ船。県ではこうしたクルーズ船を積極的に誘致している=和歌山県新宮市【拡大】

 インバウンド(訪日外国人客)の急増とともに全国的にクルーズ船の寄港が相次ぐ中、県が和歌山下津港や新宮港など県内の港湾への積極的な誘致に乗り出している。クルーズ船の寄港は大勢の観光客をもたらし、経済効果や地域振興が見込めるからだ。昨年には入港を促進するための金銭的なインセンティブ制度も導入した。クルーズ人気の波に乗って平成30年度上半期には同期ベースで過去最多となる11隻の寄港も決定しているという。

 国土交通省によると、クルーズ船の寄港は近年、全国的に急増しており、昨年の全国の寄港回数(速報値)は2765回(前年比37.1%増)。訪日クルーズ客数も約253万人(同27.2%増)といずれも過去最高を記録した。同省では今後も訪日クルーズ客数を増やし、2020年には500万人を目指す方針だ。

 “クルーズ熱”が全国的に高まっているのを受け、県も寄港を積極的に推進。昨年には、県内の港湾に入出港するクルーズ船に対し、1回につき100万円を上限に経費を補助するインセンティブ制度を導入した。このほか、海外の船会社の関係者を県内港湾に直接招いて案内し、寄港を呼びかける施策も実施しており、同年10月には米国に本社を置く船会社の関係者が県内を訪れたという。

 県や市町村などの誘致活動の結果、平成30年度上半期(4~9月)には11隻(前年度同期比2隻増)の寄港が決定。国内だけではなく米国やイタリアの船会社のクルーズ船も含まれており、下半期にもすでに3隻の寄港が決まっているという。

大型クルーズ船に対応する港湾整備も推進