穀物メジャーに再編の波 ADM、ブンゲ買収 週内にも合意か

 米穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)が同業の米ブンゲと買収交渉を進めていることが、6日までに分かった。買収が成立すれば、世界の穀物取引業界で再編が加速しそうだ。

 関係者によると、ADMとブンゲは今週にも合意に達する可能性があるという。ただ、同業のグレンコアが買収に関心を示すことも考えられており、予断を許さない状況だ。

 ブンゲは「ABCD」と称される穀物メジャーの一角で、時価総額は110億ドル(約1兆1950億円)にのぼる。ちなみに、ABCDはAがADMで、Bがブンゲ、Cがカーギル、Dがルイ・ドレフュスを指している。同穀物メジャーは世界中の農家から穀物の買い付けを行い、ネスレやクラフトハインツといった世界最大の食品メーカーに供給している。

 ADMとブンゲは、穀物の貯蔵庫であるサイロ群や米国最大級の物流ネットワークなどを保有している。医薬・農薬大手の独バイエルによる種子大手の米モンサントの買収と同様に、独占が進むとの懸念から今回の協議も規制当局によって厳格に調査される公算が大きい。同協議は米中西部の穀倉地帯の政治家らの注目も集めるだろう。

 アイオワ州立大学の農業経済学のチャド・ハート教授は「ADMのブンゲ買収は消費者にとっても一大イベントとなる。なぜなら農家の生産から食料品店の商品にいたるまでの流れを一括で管理されることになるからだ」と見ている。

 また、今回の買収案は買収合戦に発展する可能性がある。スイスの資源商社グレンコアは昨年、同社の農業部門との合併提案をブンゲに対し持ちかけていた。カナダの年金基金と提携しているグレンコアはこれまで買収合戦に加わることはまれだったが、買収額の引き上げを行うことでADMを出し抜こうとする可能性がある。