中国で「靴の都」とも呼ばれる福建省●(ほ)田市。1980年代から国際的に著名なブランドである米ナイキやアンダーアーマー、独アディダス、そして中国のアンタなどのOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛けてきた。
同市には4000社以上の靴製造メーカーがあり、従事者は約50万人。2016年の産出額は677億5000万元(約1兆1400億円)だった。その同市は現在、世界トップの「スポーツシューズ研究開発製造センター」となろうと取り組んでいる。
04年創業の新路体育用品は昨年、売上高が4億元、利益が1000万元超だったが、新商品開発に2000万元近くを投じた。同社の鄭新華総経理は「数十年にわたりOEMを行ってきたこの地には技術力が集積しており、わが社では毎年、1000種以上のデザインをクライアントに提案することができる。自主デザインを重視すれば、OEMの付加価値を上げることができる」と話す。
鄭氏によると、同市では人件費高騰への対応として作業の機械化を推進しており、自動化または半自動化させるための機器購入には同市などから補助金が支給される。
同市では昨年以来、模倣品を撲滅する活動も強化されている。鄭氏は現在、「どのようにしたらOEM企業を『100年企業』にできるかを考えている」という。(中国新聞社)
●=くさかんむりに甫