台北市は17年末、日本時代の派出所など17の歴史的建造物の修復事業に民間参入を呼び掛けた。市内には旧台湾総督府(総統府)、旧台北第2高等女学校(立法院=国会)、旧総督官邸(台北賓館)など多くの公共施設も残る。日本の建造物がこれほど保存されているのは、日本を除けば台湾だけといわれる。
反対の声もあった。日本が引き揚げた後に中国から来た中国国民党政権は「脱日本化」を進めた。00年ごろには台北市内の旧三井物産ビルの保存をめぐり、所有者の銀行が「日本軍国主義の宣伝になる」と反発したが、結局残った。
台湾の最高学術機関、中央研究院の台湾史研究所の呉叡人副研究員は「台湾化が進む中で、日本時代の記憶は台湾人のアイデンティティーの一部となった」と分析している。(台北 共同)