【マネー講座】《債券入門》(2)〈基本的なしくみ〉利息や値上がり益が収益に (2/4ページ)

 この4つの約束ごとが定まっていることによって、債券を購入する投資家は、いつ、いくらの資金を受け取るかを予め知ることができます。ただし、変動利付債のように利率が変化する債券や、物価連動債のように額面金額が変動する債券もあるので注意が必要です。

 債券には様々な種類がありますが、この講座は「入門レベル」を対象としているので、理解を進めやすくするために、ここからは、最も一般的な債券である「確定利付債」に話を絞って説明していきます。

債券価格は市場で取引されて変動する

 ところで、額面金額は債券の種類によって異なります。額面金額が1億円の債券もあれば、1万円の債券もあります。いろいろな債券を比較する際、額面金額が異なると不便ですので、単位をそろえた価格、つまり単価で考えます。日本では債券の単価を額面100円として基準をそろえています。

 発行市場や流通市場で取引される債券の価格は、額面100円当たり何円になるか、で表されます。例えば、発行市場で新たに債券を売り出すときに、その債券を買いたいというニーズが強い場合は額面の100円よりも高い101円となる場合もありますし、逆に100円よりも低い99円で売り出される場合もあります。

 流通市場でも、投資家の売り買いのニーズによって債券の価格は変動します。債券の売り手が多ければ債券価格が下落し、買い手が多ければ債券価格は上昇します。この債券価格は発行市場と同様、 額面100円あたり「何円」と表され、変動していきます。

 債券の売り手と買い手は、様々な経済・金融の環境を考慮しながら、さきほど説明した債券の約束ごと(額面金額・償還期限・利率・利払日)を評価し、お互いのニーズが合致する価格で売買を成立させます。考慮する経済・金融の環境は、時々刻々と変化するため、債券価格も一定ではなく変動します。

債券の収益はどこからくるか