マレーシア在住日本人女性がハラル証明事業 日本製の化粧品をDNA検査

 イスラム教徒が多数を占めるマレーシアで日本の化粧品を売り込もうと、日本人女性が、化粧品成分のDNA検査でイスラム教の戒律に沿う「ハラル」と証明する事業を始めた。細かい分析で、迅速に結果が出る。所得増で高級化粧品志向が目立つ中、科学的な“お墨付き”によりイスラム市場で商機を広げたい考えだ。

 「高品質の日本製化粧品を使いたいと思う女性が多い一方で、ハラルかどうか不安だという声も根強かった」。そう打ち明けるのは、首都クアラルンプールで日系企業の進出支援を手掛ける坪野香梨さん。2010年から現地に住み、イスラム教徒の女性と交流を持つ中でハラルに関心を持ち、今年1月に「ムスリムフレンドリー普及促進機構」を発足させた。

 ハラルはアラビア語で「許されたもの」という意味。イスラム教が摂取を禁止する豚肉やアルコールを含まないなど、原材料の種類に厳格な規則がある。対象は食品に限らず、豚由来のゼラチンやアルコール分を含む化粧品もイスラム教徒にとってはご法度だ。

 坪野さんらは地元の民間研究機関「ハルベック」と提携。成分のDNA検査を委託し、ハラル製品かどうかを判断する。正式なハラル認証は政府機関が担うため、書類審査などで「数年を要することもある」(坪野さん)が、DNA検査は10日程度で結果が判明する。

 ハルベックはハラルの研究機関として政府の認定を受けている。ノア・アミン社長は「加熱処理された加工製品でも、DNA検査で成分を細かく調べられる。イスラム教徒に科学的な安心感を与えられる」と話す。

 成分に問題がないとされた製品には、独自のシールを貼り消費者にアピールする。坪野さんは「成分を示せばイスラム教徒の購買意欲が増す」と話す。

 貿易統計によると、17年の日本の化粧品輸出額は中国本土や香港がそれぞれ1000億円以上なのに対し、マレーシアは20億円程度にとどまる。中東やアフリカへの売り込みも視野に入れ、各メーカーのニーズに期待を寄せている。(クアラルンプール 共同)