韓国の専門家は今回、あえて列車を選んだのは「祖父や父の路程をたどる意味があった」と指摘する。特別な関係にある中国を初めて訪れるのに格式の継承を強調した形だ。
空港での露出を避けられる上、高い安全性という実用面での利点もある。車体は防弾鋼板で補強され、衛星の追跡を逃れるため、赤外線を吸収する特殊コーティングも施されているとされる。窓も防弾ガラスだ。
最高指導者が乗る車内は、金総書記時代から世界最高級の家具や電子地図モニター、衛星電話を備え付け、さながら「動く執務室」といえる。医師や専属カメラマンを含む大勢の支援要員や必要機材を一気に運べる利点もあるという。(ソウル 桜井紀雄)