事務所に併設した約5000平方メートルの工場には、材料の鉄鋼が無造作に置かれ、多くの従業員が黙々と大型機械を操作し、鉄鋼を加工したり、研磨したりしていた。
ベアリングは機械が動く際の摩擦を減らし、動作を滑らかにする重要な部品。材料の鉄鋼には高い耐久性や、摩擦の原因となる不純物の少なさが求められる。
欧州連合(EU)は暫定的に輸入制限の対象外になった。シェリックさんはEUに加盟するスウェーデンからも鉄鋼を輸入しているが、スウェーデン製の輸入を増やすことはためらっている。「日本製の方が品質がさらに高い」のが理由だ。
日本製が関税対象になっても輸入を続ければ、関税分は販売価格に上乗せせざるを得ない。
適用外に望み
シェリックさんが会社を始めたのは約30年前。それから5年後くらいに日本から鉄鋼を輸入し始めた。父の後を継ぐことになっている長男で副社長のジェフさん(41)は「事業環境がどうなるのか心配だ」とこぼす。
シェリックさんは2016年の大統領選で、自分と同じビジネスマンのトランプ氏に投票した。巨額の貿易赤字を減らして、製造業を再生しようという通商政策には賛成だが「輸入制限だけは反対だ」。日本製が輸入制限の適用外になることに望みをつないでいる。(ジョプリン 共同)