元本は、運用を開始した時に投入する金額ですので、この場合は債券購入価格に対する割合を計算します。額面価格の100円ではないことに注意しましょう。
最後に、利回りをパーセント表示するため、100を掛けます。
以上のことを計算式で表すと、図のようになります。第2回で図示した「債券保有者の資金の支払い・受け取りのパターン」の例を用いた、債券利回りの計算例も示してあります。
債券の価格と利回りの関係
債券を購入することを前提としなくとも、計算式の「購入価格」の部分を、現在市場で取引されている「債券価格」に置き換えることで、債券利回りは算出できます。既に説明したように、債券価格は市場で取引されて変動しますので、債券利回りも同時に変動します。
では、債券価格と債券利回りの動き方にはどのような特徴があるのでしょうか。
図で示したように、債券利回りは、利率、償還価格、残存期間、そして現在の債券価格がわかれば計算することができます。
これらのなかで、利率と償還価格は債券が発行されるときに決まっています。また、償還期限が発行時に定められているため、残存期間は現時点から償還期限までの期間として、時間の経過以外の要素から影響を受けません。