政府備蓄米、予定量の6割弱 18年産 価格上昇で産地が主食用優先

 コメ不足に備えて政府が保管する備蓄米の買い入れが、2018年産は思うように進んでいない。過去4年は2回の入札で予定量の9割超を確保できたが、18年産は3月末に行った4回目の入札でも6割弱にとどまった。米価上昇により、産地が高く売れそうな主食用の作付けを優先し、備蓄用の供給を控えているのが一因だ。

 政府は農協や集荷業者を対象として1~6月に月1、2回、その年に取れるコメの備蓄に向けて入札を行っている。農家にとっては収穫前に契約が決まって経営計画を立てやすくなる利点があり、18年産は20万トンを買い入れる予定だ。

 だが、3月末の4回目の入札までに落札されたのは11万7000トン。予定量の半分の10万トンは他県産と競争のない優先枠として32県に配分したが、秋田など14県が期限内に枠を消化しなかった。未消化が3道県だけだった17年産とは様相が一変し、6月までに20万トンを確保できるめどは立たない。

 17年産の一部地域の不作、転作の進展で米価が上がり「高く売れるコメを作りたい」(東北地方の農協)と考え、農家は需要の多い外食業者向けなどの主食用のほか、せんべいや酒に使う加工用に力を入れている。1月末時点の都道府県別の調査では、29県が備蓄米の作付けを前年より減らす計画とし、増やす地域はゼロだった。

 備蓄米の買い入れ量は、東日本大震災によるコメ不足や値上がり観測が生じた11~12年産で予定の半分にも満たなかった。14~17年産は順調だったため在庫は安定しているが、政府が備蓄用として吸い上げる量が減った上に豊作が重なると民間在庫がだぶつく。米価の波乱要因になるとの見方も強まりそうだ。