日米欧や中国などが参加する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が19~20日、米ワシントンで開かれる。米中貿易摩擦の懸念が強まる中、反保護主義と自由貿易の重要性を共有できるかが焦点。財務省による森友学園への国有地売却に関する決裁文書改竄(かいざん)問題への対応で前回は欠席した麻生太郎財務相は19日、G20会合に出席するためワシントンに向けて出発した。
麻生氏は出発前に成田空港で、18日にセクハラ問題の責任を取って辞任を表明した福田淳一財務事務次官らの任命責任を問う記者団の質問には答えず、無言のまま飛行機に乗り込んだ。野党は福田氏のセクハラ問題を理由に麻生氏のG20会合出席に反対しているが、日本が来年のG20議長国であることを踏まえ、国会の了承なしで海外出張した。
今回のG20では、通商問題をめぐる主要国間の対立の緩和に向け、議論をどこまで深められるかが焦点となる。米国が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動したほか、中国の知的財産侵害に対する制裁として中国製品への追加関税案を表明。中国政府も報復措置を発表し「貿易戦争」への懸念が高まっているためだ。
先月、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれたG20会合の共同声明では、昨年7月のG20首脳会議の「不公正な貿易慣行を含む保護主義と引き続き闘う」とした合意を確認。反保護主義を掲げた上で「さらなる対話や行動が必要」との文言を新たに盛り込んだ。
一方、前回会合で主要議題となった仮想通貨に関しても、必要な国際規制のあり方を検討するため、参加国間で継続討議。シリア情勢や北朝鮮問題などの地政学的リスクが世界経済や金融市場に及ぼす影響も点検する。前回のG20は3月に開かれたばかりで、共同声明は出さない見通しだ。