【論風】エスカレートする米中知財摩擦 日本も独自の戦略を (3/3ページ)

 今回の知財摩擦は、米中の技術覇権をめぐる衝突であり、米国も中国も簡単に引き下がれず当分続くであろう。

 日本企業のとるべき道

 今回の米中摩擦は、日本企業にとってリスクであるが、チャンスでもある。日本は米国とも中国とも経済的なつながりが深く、米中摩擦の影響を必ず受けることを覚悟し、米中摩擦リスクを組み入れた貿易・投資戦略を再構築すべきだ。

 さらに、モノ作りは日本の強みという従来の考えにとらわれずに、「知財を作る・守る・活かす」戦略を作ることだ。外国の基本技術に依存するのではなく、日本独自の新しい知財を作る、技術流出を止めるためブラックボックス化を進めて知財を守る、そして知財を活かして、新しいビジネスモデルを作る戦略が必要だ。日本企業のしたたかな対応が求められている。

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【プロフィル】荒井寿光

 あらい・ひさみつ 東大法卒、ハーバード大大学院修了。通商産業省(現経済産業省)入省、特許庁長官、通商産業審議官、初代内閣官房・知財戦略推進事務局長、世界工業所有権機関政策委員を歴任。退官後、日本初の「知財評論家」を名乗り知財立国推進に向けて活動。著書に「知財革命」「知財立国」。72歳。長野県出身。