保育所入所、AIが数秒で選考 手作業50時間分が数秒で終了、さいたま市で実験 (2/2ページ)

 昨年春のさいたま市での実験は富士通研究所のほか九州大が参加し、意思決定や利害調整に数学的なモデルを使う「ゲーム理論」の考えを応用した。選考の仕組みと保護者のさまざまな希望を踏まえ、数秒で適切なマッチングを導き出した。

 市保育課の担当者は「手作業の方が、保護者の事情に対する理解が深まる面もある」とするが「事務負担が劇的に軽くなり、住民に結果を早く伝えられる」とメリットを語る。

 ただ実際の導入は未定だという。

 作業が早く終わっても保育所の受け入れ枠が増えるわけではないが、厚生労働省の担当者は「事務負担が軽くなれば、保育所の監督指導や保育事故の防止などに力を入れやすくなるはずだ」と期待する。