北で拘束の米国人3人解放、ポンペオ氏と帰国の途 トランプ氏がツイート

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は9日、ツイッターで、北朝鮮に拘束されている米国人3人が解放されたことを明らかにした。北朝鮮を訪問していたポンペオ国務長官と一緒に飛行機で出国し、米東部時間10日未明にワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着する。

 トランプ氏によると、3人の健康状態は「良好とみられる」という。トランプ氏は「3人を基地まで出迎えに行く。非常に興奮している」とした。

 ポンペオ氏は9日、米空軍機で北朝鮮の平壌に到着し、ロイター通信などによると、金正恩朝鮮労働党委員長の側近、金英哲党副委員長と会談し、6月にも見込まれる米朝首脳会談の議題や開催場所、日程の最終調整が行われた。トランプ氏はツイッターで「良い会合だった」と称賛した。

 トランプ氏はまた、「会合の日程と場所が確定した」と改めて表明した。

 ポンペオ氏は会談で「米朝は何十年間も敵対してきたが、紛争の解決と世界への脅威の除去に向けて協力できると思う」と述べた。金英哲氏は「朝鮮半島の平和実現で米国が非常に大きな役割を果たすことを強く期待する」と強調した。

 ポンペオ氏は中央情報局(CIA)長官だった3月末~4月初頭に極秘訪朝したが、国務長官としては初めて。同氏がツイッターで明かしたところでは「北朝鮮の招待」によるという。

 解放された3人は、2015年10月にスパイ容疑で拘束されたビジネスマンのドンチョル・キム氏と、平壌科学技術大に勤めていたサンドク・キム氏、ハクソン・キム氏。

 一方、トランプ氏は8日、中国の習近平国家主席と電話で会談し、「北朝鮮が核・弾道ミサイル計画を恒久的に廃棄するまで制裁を続けることが重要だ」との認識で一致した。