【ワシントン=塩原永久】米中両政府は18日、ワシントンでの2日間の通商協議を終えた。中国側は米政権が求める貿易不均衡の是正に向け、米農産物などの大幅な輸入拡大に同意した。ただ、米メディアによると、米側が要求する対米貿易黒字を2千億ドル(約22兆円)削減する数値目標の設定には反対し、最終合意に向けた交渉を継続する見通しだ。
トランプ米政権のクドロー国家経済会議(NEC)委員長は18日の米テレビで、「中国は(米国の)多くの要望に応じている」と話した。同氏によると中国政府は、関税・非関税障壁の低減や、中国市場での技術移転強要の問題などについても、前向きに対応する考えを示した。
中国国営の中央テレビは19日、「豊富な成果があった」と強調。一方、中国共産党機関紙、人民日報系のネットメディアは、両国の貿易摩擦を「激烈な対決」と表現した上で「一度や二度の協議で全ての問題を解決することは不可能だ」と分析し、協議が長期化する可能性を示唆した。中国が強く求めていた中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する米制裁の解除についても詰め切れなかったようだ。