
「森友学園」問題を巡り、財務省が23日の衆院予算委理事懇談会に提出した「本省相談メモ」とされる資料。安倍昭恵首相夫人の発言に関しての記述も見られた【拡大】
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐり、財務省が「廃棄した」と説明してきた学園側との交渉記録について、同省理財局職員が廃棄を進めるよう指示していたことが23日、分かった。財務省は同日、衆院予算委員会理事懇談会に学園側との交渉記録と改竄(かいざん)前の決裁文書を提出。記録には、安倍昭恵首相夫人付政府職員からの財務省への照会のやりとりなども含まれていた。
提出した交渉記録は、平成25年6月~28年6月の学園側との面会や、やりとりなど217件分、約950ページ。職員が手控えとして紙媒体に残したり、パソコン内に保管したりしていた。
理事懇談会に出席した財務省の富山一成理財局次長は、「深くおわび申し上げます」と陳謝した。
交渉記録に関して佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(当時)が昨年2月以降、国会で「速やかに廃棄している」と答弁。しかし、理事懇談会で財務省は2月下旬以降、答弁と整合性をとるため「保管されていた交渉記録の廃棄を進めていた」と説明した。
記録には、27年7月に学園の籠池泰典前理事長の妻が小学校開設に関し、「安倍首相、首相夫人、自民党幹部も認識している」と財務省に伝えたと記載。同年11月には昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏が理財局に対し、学園の賃料に対する優遇措置について問い合わせていたことや、国会議員5人の秘書と対応した記述もあった。