TPP法案が参院審議入り 早期発効に機運向上

 米国を除く11カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の関連法案と協定承認案が1日の参院本会議で審議入りした。TPP発効には参加6カ国以上が国内手続きを完了する必要がある。政府は今国会での成立を目指し、早期発効に向けた機運を高める考えだ。

 安倍晋三首相は、TPPの発効で広大なマーケットが生まれるとして「(国内の)農業者や中小企業にもチャンスが生まれる」と説明。消費者にとっても域内の商品を安く手に入れられる利点があると強調した。

 日本の国内手続きの完了は、関連法案の成立と協定の国会承認がそろうことが条件となる。協定承認案は5月18日に衆院本会議で可決され、憲法の規定により今国会での成立が確定。野党はTPPが国内の農業に及ぼす影響などについて、議論が十分ではないと主張している。

 関連法案は畜産物価格安定法や著作権法などの関連10法を一括して改正する。輸入品の増加で影響を受ける畜産農家の赤字を補う制度を拡充するほか、知的財産の保護期間の延長などを発効に合わせて実施できるようにする。米国を含む12カ国で署名した当初の関連法は2016年に成立したが、米国の離脱に伴い修正が必要になった。