【マネー講座】《「もらう」相続》(3)〈相続の受け方〉手続のあらましと注意点 (1/4ページ)

 前回までに、相続のあらましをみてきました。今回は、実際に相続を受ける手順と注意点について説明します。(りそな銀行 折原和仁)

預貯金などの金融資産は軽々に引き出さない!

 相続開始前後には何かとおカネが必要です。そのため、キャッシュカードなどを用いて被相続人の金融資産を引き出してしまう人も少なくありません。でも、その行為は本当に大丈夫でしょうか?

 前回説明したように、相続開始後に被相続人の金融資産を引き出すと単純承認の意思表示をしたと判断され、後で債務があることが判明しても放棄はできなくなります。また、他の相続人から「遺産を隠した」などの疑念を生じさせ、遺産分割協議を紛糾させるリスクもあります。

遺言の有無を確認する

 相続手続の流れは図のとおりです。

 まず、遺言の有無を確認します。

 公正証書遺言(公証人が作成する方式の遺言書)を作成している可能性がある時は、公証役場に照会すれば有無を教えてくれます。それ以外の方式による遺言書は、被相続人の自宅などを捜索することが必要です。

 公正証書遺言以外の遺言書が見つかったら、速やかに他の相続人に連絡するとともに、家庭裁判所に「検認」を申し立てます。検認とは、遺言書の内容を相続人全員で確認するとともに発見時の状況を記録する証拠保全の手続で、遺言書の有効・無効を判定するものではありません。封をされた遺言書を家庭裁判所以外で開封することや、検認を経ずに遺言を執行することは禁止(罰則規定あり)されているので注意してください。遺言の検認には1~2カ月程度を要するようです。

相続人をきちんと調査する