
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】
2016年10月に訪中したナジブ首相(当時)は、「一帯一路」戦略に関連する14件の大型プロジェクトについて中国側と合意した。その中には東海岸鉄道建設やバンダル・マレーシアの土地開発と融資計画、マラッカ・ゲートウェイ計画、グリーン・テクノロジー工業団地造成などのインフラ開発、さらには電子商取引などIT分野でのプロジェクトも含まれていた。
マハティール新政権は発足するとすぐに、プロジェクトの見直しを進めると公言。年内に入札が予定されていたクアラルンプール・シンガポール間の高速鉄道についても、電撃的に中止すると発表した。
中国にとって同路線は、雲南省・昆明からシンガポールまでの中国・ASEANを結ぶ「一帯一路」戦略の起点となる重要路線なだけに、ショックは大きい。
巨額の資金を投入して、一見すると順調に推移しているかに見えた「一帯一路」戦略に、早くも根本からの見直しの必要性が出ている。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)