【太陽の昇る国へ】減税による成長こそ真の財政再建策 幸福実現党党首・釈量子

経済財政諮問会議に臨む(手前から)安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官=5日午後、首相官邸
経済財政諮問会議に臨む(手前から)安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官=5日午後、首相官邸【拡大】

 --政府が「骨太の方針」の素案をまとめました

 今回公表された素案で、2019年10月に消費税率を10%に増税することが改めて明記されていることは、残念でなりません。今月8日に発表された18年1~3月期の四半期別GDP速報(2次速報値)では、個人消費が前期比でマイナス0.1%を記録しています。消費増税を実施して消費の停滞がさらに続けば、日本経済の見通しはますます不透明な状況となるでしょう。

 また、財政再建に関しては、今回、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標を、従来の2020年度から同25年度に先送りするとされていますが、これについては、目標の廃止を含めた検討を行うべきだと考えます。

 というのも、PBの早期黒字化に向け、性急に増税を行うなどすれば、経済が停滞して中長期的に見るとかえって財政悪化を招く結果になりかねないからです。これまで、政府による様々な財政出動にも関わらず、度重なる増税も大きく影響し、デフレ脱却もままならない状況が続きました。しかも、国の借金は1100兆円まで積み上がっている状況です。

 そこで財政再建に向けては、根本的に考え方を変える必要があるのではないでしょうか。財政の健全性を図る指標として国際標準的に用いられているのは、「累積債務残高/GDP=国の経済規模に占める国の借金の割合」です。これに従えば、経済力があって返済能力が高ければ、借金があるとしても、財政は健全だと言えるというわけです。

 したがって、財政再建に向けては、「増税やむなし」といった考え方から、長期的な視野を持って「いかに経済規模を大きくするか」へとマインドセットを変えなければなりません。消費減税をはじめとした減税政策を実行することで、短期的には税収が減ることがあるとしても、景気回復、持続的な経済成長が実現することで、中長期的に財政は再建に向かうことになるのです。

 --日本でも経済成長は可能でしょうか

 長期間にわたって「ゼロ成長」が続いてきたわが国は、一見すると高成長の達成などは難しいようにも見えます。しかし、1990年から2016年までの日本を除くG7の名目成長率の(年間)平均値は3.35%(日本は0.58%)を達成しています。成熟期に入った国であったとしても、この水準の成長は可能であり、正しい経済政策、実効ある成長戦略を推進すればさらなる成長率の上積みも不可能というわけではないと思います。

 日本経済の成長力強化を図るためには、消費税増税の中止と税率5%への引き下げ、法人実効税率10%台への大幅引き下げといった大胆な減税政策、そのほか、徹底的な規制緩和やリニア新幹線などの交通インフラ、新たな基幹産業となりうる分野への大胆投資などを推し進める必要があるのです。

 また、「経営的な視点」をもって国の財政を眺め、自助と家族の支え合いをベースにした社会保障制度の構築などに取り組むほか、「予算の単年度制」を廃止し、毎年予算のうちの一部を余剰金として積み立てたり、予想外に税収が増加した分を翌年以降の予算に回すなどして、債務を少しずつ縮小していくことも必要だと考えます。

 --消費増税に合わせ、消費税還元セールを解禁することも検討されています

 これは、14年の税率8%への増税時に、駆け込み需要とその反動で消費が大きく冷え込んだことを踏まえた議論だと思われます。今回の増税時には小売業者による価格設定の自由度を高め、値上げ時期の幅を広げようとする狙いがあるのでしょう。

 ただ、これについては、セールを行うスーパーなどが商品の納入業者に値下げを迫り、結果として中小企業にしわ寄せが来るのでないかなどといった懸念の声も上がっています。

 問題は、消費増税実施前の駆け込み需要の発生とその反動減という短期的な現象にあるのではありません。繰り返しになりますが、増税による中長期的な経済停滞をこそ避ける必要があるのです。したがって、そもそも消費税率10%への増税を容認するべきではないと考えます。

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【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。