トランプ米大統領、対中制裁発動を承認 5兆5000億円規模

2017年11月9日、北京での夕食会の会場に到着したトランプ米大統領(右)と中国の習近平国家主席(AP)
2017年11月9日、北京での夕食会の会場に到着したトランプ米大統領(右)と中国の習近平国家主席(AP)【拡大】

 【ワシントン=塩原永久、北京=西見由章】米メディアは14日、トランプ米大統領が、中国による知的財産権侵害に対抗する対中制裁措置の発動を承認したと一斉に報じた。中国からの輸入品に幅広く追加関税をかける措置の詳細を15日に発表するという。中国は報復を辞さない構えで、通商問題をめぐる米中両国の対立激化は必至だ。

 ロイター通信は関係者の話として、トランプ氏が14日、通商分野の政権幹部を集めた会議を開き、対中制裁発動を決めたと伝えた。ムニューシン財務長官は制裁措置の発動に反対したが、政権内で反対論は広がらなかったという。

 米政権は4月、通商法301条に基づいて約1300品目、計500億ドル(約5兆5千億円)相当の中国製品に25%の追加関税を課す措置の原案を発表。関税対象の製品リストの原案には、航空機や自動車などが盛り込まれていたが、実際の発動では「よりハイテク製品に的を絞った措置になる」(ロイター)との見方も出ている。

 また米政権は最終リストを公表すれば「すぐに制裁を発動する」との方針を示していたが、米メディアによると実際の発動時期には不透明感もあるという。

 一方、中国外務省の耿(こう)爽(そう)報道官は15日の記者会見で、「もし米側が一方的に保護主義の措置をとり、中国側の利益を損なえば、われわれは直ちに対応する」と述べ、米国産品に報復関税を課す姿勢を強調した。

 中国政府は今月3日、ロス米商務長官らとの閣僚級協議後の声明で、米国が追加関税を発動した場合は「双方が合意したあらゆる成果は無効になる」と牽(けん)制(せい)。米国産の大豆や自動車などに追加関税を課すだけでなく、米国産農産物や資源の輸入拡大方針を取り消す考えも示している。