働く人が過去最多の6698万人に 完全失業率は2.2%、雇用改善続く 総務省の労働力調査

 企業の人手不足を背景に雇用情勢の改善が進んでいる。総務省が29日に発表した労働力調査によると、5月の就業者数は6698万人に達し、比較可能な昭和28年以降で最多となった。一方、5月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の2.2%で平成4年10月以来の低水準。厚生労働省が同日発表した5月の有効求人倍率(同)は0.01ポイント上昇の1.60倍で高水準を維持した。

 会社員ら雇われている人に加え、雇い主や自営業の経営者なども含めた就業者数は、前年同月比で151万人増加。ピークだった9年6月の6679万人を21年ぶりに更新した。

 内訳は男性が58万人増の3746万人、女性が93万人増の2952万人。65歳以上は56万人増の875万人で、9年6月に比べ約370万人増加。少子高齢化で若い働き手が減少する一方、景気回復を受けた企業の人手不足により、高齢者の再雇用や女性の就業が増えたことが反映された。

 完全失業率は4カ月ぶりに改善。男女別の失業率は、男性が前月比0.4ポイント低下の2.4%で、女性は0.1ポイント低下の2.0%だった。完全失業者数は158万人で、前年同月に比べ52万人減少した。

 求職者1人当たりの求人数を示す有効求人倍率は、正社員が1.10倍と前月比で0.01ポイント上昇し、過去最高を更新。都道府県別では、最も高いのが東京の2.15倍、最も低いのは沖縄の1.12倍だった。

 最近の雇用情勢について、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「企業側が採用条件を下げて採用を増やすほど人手不足が顕在化している」と指摘。ただ、「実体経済の成長に比べて労働人口が急増し過ぎており、堅調な雇用情勢が定着するかは見通せない」としている。