日本、自由貿易体制主導の構え 対米交渉の防波堤に TPP11関連法成立 (1/2ページ)

横浜・南本牧埠頭のコンテナ船
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 TPP関連法が成立したことを受け、日本は早期発効を目指し、米国の保護主義的な通商政策や、中国の不公正な貿易への対抗軸に据える考えだ。米中の貿易摩擦が激化する中、日本は欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の発効や、中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の妥結も急ぎ、自由貿易体制を主導する構えだ。

 「多角的貿易体制の維持と強化に貢献していきたい」。関連法案を審議した26日の参院内閣委員会で、安倍晋三首相はTPP11の意義を強調した。

 安倍首相の念頭にあるのは、TPPから離脱し保護主義的な姿勢を強める米トランプ政権と、国有企業の優遇や知的財産の侵害といった不公正貿易を続ける中国の動きだ。

 トランプ政権は鉄鋼とアルミニウムに高関税を課す輸入制限を発動するなど強硬姿勢を強めている。7月に開く予定の日米の新しい通商協議でも自動車や農業分野でさらなる市場開放を求めてくるとみられる。日本はTPP11を対米交渉でこれ以上譲歩できないとする“防波堤”としつつ、米国に再交渉なしでのTPP復帰を促す。

 「米国が一番焦るのは、TPP11に加え、日欧EPAの発効だ」。政府関係者はこう説明する。日欧EPAは安倍首相が7月に訪欧して署名し、来年前半にも発効する見通し。発効すれば関税が高くなる米国産が相対的に不利になるため日本はトランプ政権に多国間の枠組みへの復帰を促す取引材料としたい考えだ。

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