
筑紫野いちご農園でイチゴ狩りを楽しむタイ人旅行者=5月31日、福岡県筑紫野市【拡大】
旅行会社も本腰
JTBとJCBが出資するJ&J事業創造(東京)は昨年、約780の農園を紹介するサイト「Japan Fruits」を開いた。観光関連団体が「日本土産に欲しい飲食物」を尋ねた15年のアンケートで、果物は香港などで上位に入ったが「いつ、どこで何を収穫できるかが知られていなかった」のが開設のきっかけ。今後は予約や通販機能も拡充する。
日本旅行は、英語のガイドを常駐させ長野県飯山市に昨年オープンしたリンゴ園が好評で、今秋は食べ比べできるよう品種を増やす。日本航空も農業関連の新会社を通じ、イチゴのほかサツマイモ収穫を体験できる施設を20年に開く計画だ。
農林水産省の15年度の調査によると、観光農園を営む全国6700事業者の平均売上額は年564万円と小規模だが、みずほ総合研究所の堀千珠主任研究員は「地方が観光面で都市と違いを出す上で農業は有力な手段だ」と指摘。さらに客を呼ぶには「地域の他の農園や企業、自治体との連携も鍵を握る」と話した。