企業の地方移転足踏み 政府新目標を自治体疑問視 (1/2ページ)

 安倍政権が地方創生の一環として掲げた東京23区にある企業の地方移転が足踏みしている。取り組みが始まった2015年度からの3年間で本社機能などを地方に移した企業は19社にとどまり、雇用効果も限定的だ。政府は19年度から6年間で地方の就業者や起業家を計30万人増やす新たな目標を打ち出したが、自治体関係者からは実効性を疑問視する声も上がっている。

 政府が14年末に決定した人口減少対策の5カ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、地方で30万人分の若者の雇用を生み出すとともに、働き口として支店や事務所、研究施設など企業の地方拠点を7500件増やす目標を掲げた。

 東京23区から本社機能を移転するか、地方拠点を拡充した企業の法人税などを軽減する制度も15年度から始まった。

 取り組みが奏功し、YKK子会社の「YKKAP」が本社の総務部門などを富山県に、アパレルメーカー「キャン」が財務、経理部門を岡山県にそれぞれ移転した。しかし、16年度末時点で、本社機能や研究施設を地方に移転したのは19社、地方拠点の拡充も約1400件にとどまっている。

 帝国データバンクによると、11年以降、東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県)に本社機能を移した企業は、地方に移転した企業を7年連続で上回っており、企業の東京一極集中も加速している。経団連の調査では、多くの企業が「利便性に支障がある」「取引先や官庁の関係者が東京に集中している」と地方移転に否定的だ。

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