西日本豪雨でため池の決壊が相次いだことを受け、農林水産省は20日、全国の都道府県に対し、下流の民家や学校、病院に被害を与える可能性のある全てのため池の緊急点検を要請したと発表した。必要に応じて応急措置を施し、台風が日本列島に数多く到来する秋に備える。
安倍晋三首相が19日の非常災害対策本部会議で指示した。対象は全国のため池の7割、13万カ所に及ぶとみられる。8月末までに、本体の法面に亀裂が入っていないかや、ため池周辺で土砂が崩落しそうな場所がないかなど18項目をチェックする。
地域住民の不安が特に高まっている広島県や岡山県、愛媛県には、地方農政局などから職員を派遣する。まずは70人体制で始め、徐々に人数を増やす。必要に応じて、ため池の水位を下げたり、損傷部分にブルーシートをかけて漏水を防ぐといった応急措置を取る。修復工事が必要な場合は別途、補助金制度などを活用する。
斎藤健農水相はこの日の閣議後会見で、「全く使われていないため池は廃止も検討しないといけない」と述べた。西日本豪雨の影響で、これまでに21カ所のため池が決壊。広島県福山市では3歳の女児が流されて死亡した。