G20開幕 米国と中国・欧州の貿易摩擦、沈静化なるか

(左から)アルゼンチンのニコラス・ドゥホブネ財務大臣、IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事=21日、アルゼンチンのブエノスアイレス(ロイター)
(左から)アルゼンチンのニコラス・ドゥホブネ財務大臣、IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事=21日、アルゼンチンのブエノスアイレス(ロイター)【拡大】

 【ブエノスアイレス=蕎麦谷里志】日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は21日、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開幕した。2日間の日程で行われ22日に共同声明を採択して閉幕する。

 米国と中国の貿易摩擦が激化後、初の会議で、議論の中心は通商問題になる見通し。保護主義姿勢を強める米国には欧州連合(EU)も反発しており、どこまで歩み寄り、世界経済への悪影響を食い止められるかが焦点となる。

 G20に合わせ先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議も開かれる。日本は麻生太郎財務相と日銀の黒田東彦総裁が出席し自由貿易の重要性を訴える。

 G20会議は4月のワシントン開催以来3カ月ぶり。この間、米国は鉄鋼・アルミニウムの輸入制限をEUやカナダなどにも広げたほか、7月には中国による知的財産権の侵害を理由に中国製品へ追加関税を課す制裁を発動。各国が報復措置を取る事態となっている。

 また、20日にはトランプ米大統領がツイッターでドル高を牽制(けんせい)。G20でもドル高是正が争点となり、米国が各国に低金利政策の転換を求めるのではとの見方も浮上している。