スポーツ産業、世界市場取り込み振興 鈴木スポーツ庁長官と石毛ジェトロ理事長に狙いを聞く (2/2ページ)

「収益を出す工夫が必要だ」と話すスポーツ庁の鈴木大地長官
「収益を出す工夫が必要だ」と話すスポーツ庁の鈴木大地長官【拡大】

  • スポーツ産業の海外進出について話す、ジェトロの石毛博行理事長

 □「健康技術で海外市場開拓へ」石毛博行・日本貿易振興機構(ジェトロ)理事長

 --スポーツ市場で、日本は後塵(こうじん)を拝している

 「米国の市場は約50兆円、中国も20兆円市場を4倍以上に増やす目標を掲げている。スポーツ産業の成長には海外市場開拓が鍵だ。中小企業は海外市場に関心はあり、挑戦できる企業は多い」

 --日本ならではの技術は

 「三英(千葉県流山市)の卓球台は木材加工の技術力を生かし、世界的に評価を受けている。ベトナムでは子供の肥満が社会問題となっているが、ミズノは遊び感覚で楽しめる運動カリキュラムを政府に提案。フットマーク(東京都墨田区)は浮力の高い特殊素材水着と泳ぎ方を学べる教育DVDをセットで売り込む。官民一体で先に需要を開拓する仕組み作りも必要だ」

 --インバウンド効果は

 「プロバレーボールチームの岡山シーガルズはタイにもファンがいて、観戦目的のツアーを誘致できる。広島県と愛媛県を結ぶサイクリングロードの瀬戸内しまなみ海道は海外でも人気があり、サイクリング愛好家が多いインドネシアからも観光客を呼び込みたい」

 --今後の有望市場は

 「来年はじめにもフィリピンで健康長寿広報商談会を開く。英語が標準語で若い世代が多く、市場の魅力もある。ジェトロの海外拠点網や商社OBら海外市場開拓の専門家集団も活用し、健康につながるスポーツ関連の企業を支援したい」