日本、車輸入制限回避ヘ米の出方探る 米・EU会談受け対応検討

 米欧首脳会談で、米国が自動車輸入制限の欧州連合(EU)への適用を一時凍結することで合意したことを受け、日本はEUとも情報交換しながら近く米国と始める新しい通商協議(FFR)での対応を検討する。さらなる市場開放など通商問題で譲歩しない姿勢を堅持しつつ、自動車輸入制限の回避に向け米国の出方を慎重に探る構えだ。

 「とにかく米国の話を聞いてから対応を考える」。日本政府の交渉筋は、FFRで米国に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への復帰を求めるといった基本戦略を維持しつつも、米欧首脳会談を受け、柔軟に対応する考えを示した。

 EUは米国産の液化天然ガス(LNG)の購入拡大で合意。6月の日米首脳会談で安倍晋三首相が米国産エネルギーの購入計画を示し、トランプ米大統領が一定の評価をした経緯もあり、FFRでも輸入拡大に言及する可能性がある。

 一方、EUは米国の鉄鋼輸入制限で、世界貿易機関(WTO)に提訴手続きを始めている。自動車輸入制限では、日本もWTO提訴を視野に対米交渉に臨むものとみられる。

 ただ、鉄鋼輸入制限では当初、EUを適用除外したにも関わらず、結局、米国はEUにも発動した。政府内には「トランプ氏はトップダウンで決めるため、出方が読みにくい」(経済官庁幹部)との指摘もあり、秋にも見込まれている安倍首相とトランプ大統領の直接会談に早くも期待する声も上がっている。(大柳聡庸)