
新体制で、相次ぐ不祥事で傷ついた信頼の回復を目指す財務省【拡大】
一人は浅川氏で、麻生氏が首相時代に秘書官を務めた最側近だ。もう一人は星野氏。過去には主税局長から次官に就いた例もある。だが、過去、「次官級の上がりポスト」の財務官から次官になった例はなく、浅川氏は“横紙破り”の人事を固辞。星野氏は「他省庁との調整能力に不安がある」(経済官庁幹部)と手腕を疑問視する声が強く、候補から消えた。
この結果、岡本氏が再び有力視されるようになった。6月10日に与党が推す候補が新潟県知事選で勝利すると、政権は森友問題への厳しい見方が収まりつつあると判断。「岡本氏にはセクハラなどの問題が全く見当たらない」(政府幹部)ことも大きかった。
岡本氏の後任の太田充氏も主計局畑のエースで、次の次官含みとされる。次官人事の「レール」を守り抜いた財務省。次は信頼回復や財政再建にどこまで成果を上げられるか試されることになる。