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米中貿易戦争で中国経済の減速懸念が強まっている中で、習近平政権が景気刺激策に転じた。抑制していたインフラ投資の積極化などにより景気を下支えする考えだが、行き過ぎれば中国経済の「アキレス腱(けん)」とされる過剰債務問題を深刻化させる恐れがある。貿易戦争をきっかけとした経済の変調を前に、中国当局は難しいかじ取りを迫られている。
中国当局が景気のてこ入れに動いたのは、貿易戦争で経済運営のもくろみが狂いつつあるからだ。
昨年来、習政権は目先の景気よりも過剰債務問題の解消といった構造改革を重視する政策を取ってきた。問題が深刻化すれば、金融危機という最悪の事態を招くことを懸念したためだ。
リーマン・ショック直後に中国政府が打ち出した大型景気対策により、国内各地ではインフラ投資が大盛況となったが、銀行融資などの「借金頼み」だったため巨額の債務が積み上がった。
国際決済銀行(BIS)によると中国の金融を除く総債務の国内総生産(GDP)比は、2008年に141%だったが17年には255%にまで拡大している。