マレーシアは、2017年の漁業総収益が140億リンギット(約3800億円)だった。南シナ海海域での漁獲高がトップで、海水養殖と淡水養殖が続く。
国営ベルナマ通信によると、漁の水揚げは過去最高の110億リンギットに達したのに対し、養殖は29億リンギット、淡水養殖は1億リンギットだった。農業・地方開発省は、実際にはさらに多くの漁業収益が見込まれるはずだが、外国船の密漁などで毎年60億リンギットの損失があると推計している。具体的には、遠洋漁業で18億リンギット、沿岸漁業で42億リンギットの損失があるとみられる。
同省はマレーシア海上保安庁および水上警察と連携し、排他的漁業水域での外国漁船の違法操業監視活動を強化している。これまで、256隻の違法外国漁船を確認し、拿捕(だほ)または海域から退去させた。違法外国漁船で特に多いのがベトナム漁船群で、その被害額は16年からの累計で1億8000万リンギットに上る。
違法外国漁にはマレーシア国内にも懸念材料がある。マレーシアの漁船所有者が、外国違法操業者に船を貸す行為が長らく続いていることだ。さらに、操業許可証持参で外国トロール船に乗り組んでいるマレーシア船員も多い。
一方、欧州連合(EU)は、タイ漁船の違法操業に警告を発し、違法漁獲物の輸入禁止をほのめかしている。マレーシア政府は、この警告の効果に期待している。(シンガポール支局)