【ビジネス解読】韓国・文在寅大統領“公約断念”陳謝 行き詰まる「ポピュリズム経済政策」 (2/3ページ)

  • 雇用確保を求めてデモを行う韓国の建設労働者=7月12日、ソウル(AP)
  • 雇用確保を求めてデモを行う韓国の建設労働者=7月12日、ソウル(AP)

 文氏が公約達成の断念を陳謝した2日後、韓国政府は経済関係閣僚会議で「下期以降の経済状況および政策方向」を発表し、18年の実質国内総生産(GDP)の前年比増加率を、昨年末時点の3.0%増の見通しから2.9%と、0.1ポイント引き下げた。

 民間消費や設備投資など主要経済指標の見通しは軒並み引き下げられ、文氏が特に重視しているとされる雇用指標は、就業者の月平均増加数の見通しが18万人と、14万人も下方修正された。

 韓国政府は、GDP成長率の下方修正の要因に米中貿易摩擦の激化を挙げている。だが、それは責任逃れだろう。内政の失点が経済の足を引っ張っていることは明らかだ。

 月間就業者数の増加幅は昨年までは毎月30万人を超えていたが、今年2月からは5カ月連続で10万人前後にとどまっていた。「一気に16.4%引き上げた18年の最低賃金が雇用不振の主要因というのが専門家の指摘」(韓国大手紙の中央日報電子版)だ。実際、19年も最低賃金の2桁増が決まったことを受けて、金東●(=なべぶたに八の下に兄)(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官は「下期の経済運営に重荷となりかねない」と懸念を示したと、聯合ニュースは伝えている。

 さらに、労働界偏重の政策のツケは、成長率の原則にとどまりそうにない。

 中央日報電子版は、韓国経済新聞の記事として、日本の流通大手イオンが傘下のコンビニエンスストアチェーン「ミニストップ」の韓国法人「韓国ミニストップ」を売却する方針だと報じた。記事は現地の競争激化に加え、最低賃金の上昇に伴い、加盟店のコンビニ経営者の負担を減らす支援金の増加が、売却の背景にあると指摘している。ミニストップ側は、売却方針をあくまで証券市場の憶測と否定しているようだが、コンビニ業界の苦境は事実だ。

「法律違反になったとしても最低賃金法は守らない」