「夏時間」導入の可否を検討 首相、自民に指示 業界に意見聴取も

 安倍晋三首相は7日、2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策に向けて、国全体の時間を夏の間だけ早めるサマータイム(夏時間)制度の導入の可否を検討するよう自民党に指示した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長らと官邸で会談した際「国民の関心は高い。やるならば、国民生活に影響する。業界にいろいろな意見があるから、党部会で意見聴取をしてほしい」と語った。会談後、森氏が記者団に明らかにした。

 夏時間導入には、国民生活や経済活動に混乱が生じる恐れがあるとの懸念がある。政府、与党は慎重に検討する考えだ。首相は森氏との会談で「よく慎重に見極める必要がある」と述べた。組織委は20年7月24日に開幕する東京五輪での暑さ対策の切り札と位置付けている。

 自民党内の議論は、首相と森氏との会談に同席した同党の遠藤利明2020年五輪・パラリンピック東京大会実施本部長らを中心に進む見通しだ。

 遠藤氏は会談終了後「20年までにやるとすれば、秋の臨時国会で何らかの形をつくらないと難しい」と記者団に表明した。近く岸田文雄自民党政調会長と協議する意向を示し、関連法案成立には、与野党の幅広い賛成が必要だとも強調した。

 会談で、首相は「内閣としても考えるから、党で先行して議論してほしい」と述べた。森氏は、夏時間には省エネ効果が見込まれると指摘し「五輪のためにやるということではなく、日本政府が地球環境保護に取り組むという観点で進めてほしい」と求めた。これに関連し、公明党の山口那津男代表は記者団の取材に、導入は国民の納得が前提になるとした上で「酷暑対策は柔軟に幅広く検討する必要がある」と述べた。