消費増税、企業の6割「予定通りに」 駆け込み需要の対策準備、わずか2割にとどまる

大阪市内の家電量販店。消費税率の引き上げが予定通り実施されれば、個人消費の落ち込みが懸念される
大阪市内の家電量販店。消費税率の引き上げが予定通り実施されれば、個人消費の落ち込みが懸念される【拡大】

 2019年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて聞いたところ、「予定通り実施すべき」と回答した企業が60%に上り、「再延期するべき」の3%、「引き上げるべきではない」の2%を大きく上回った。少子高齢化で社会保障関連費用の増大が見込まれる中、財政健全化に向け増税が欠かせないとの見方が強まっている。

 予定通りの実施を求める企業からは「同時に増税後の反動減対策をしっかりと講じるべき」(自動車)との要望もあがった。一方、財政再建を進める上で「20%台の税率が当たり前となっている欧米諸国のように、消費税率のさらなる引き上げも検討すべき」(石油元売り)との声も出た。

 増税前の駆け込み需要が事業に与える影響については「大いに好影響」が1%、「どちらかといえば好影響」が13%となったのに対し、「どちらかといえば悪影響」が7%、「大いに悪影響」がゼロ。「何とも言えない」が66%で最多となり、「消費が活性化されるが、その後の買い控えもある」(流通)と影響を測りかねる企業が多かった。

 駆け込み需要への対策は「準備している」との回答が20%にとどまるなど、まだ本格化していないことが浮き彫りになった。対策の中身については「前回増税時の消費者の動向を参考に需要変動への対応を検討する」(電機)と声が挙がるなど、駆け込み需要と増税後の消費落ち込みをいかに平準化するかが各社に共通する課題となっている。