「対岸の火事ではない」(韓国紙中央日報)
約20年前のアジア通貨危機の悪夢の記憶が生々しく残る韓国はトルコショックへの警戒を強めている。中央日報は社説で通貨危機の経験を踏まえ、「徹底的に準備する姿勢で新興国通貨不安の事態に対処する必要がある」と強調した。
1997年の通貨危機ではタイでの通貨暴落を機に各国経済が大混乱。韓国では社会の中心だった財閥が解体され、「朝鮮戦争以来最悪の国難」とされた。
今回、韓国政府は「国内への影響は限定的」とみているが、経済環境は危機当時をほうふつとさせる。失業者数は今年1月以降7カ月連続で100万人超で、通貨危機当時(10カ月連続)以来最悪の記録だ。韓国日報は「韓国経済は四面楚歌(そか)」とし、トルコショックが拡大すれば「韓国の輸出は最悪の状況に追い立てられる」と危機感を示している。(時吉達也)