【専欄】伝統的な考えが捨てきれず…やはり不人気、中国の“住宅年金” (2/2ページ)

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 先ごろ放送された中国国営中央テレビの報道番組によれば、賛同派の大多数は、現金収入が2~3倍に増えることを利点にあげている。

 「子供の金銭的な負担を減らすことができる」「自分には古い家が一軒あるだけ。お金が欲しい」「生きているうちに世界一周旅行をしてみたい。旅行資金のためにも、この制度を使いたい」などである。中には、「家を複数持っているので、その中の一つを、この制度で使いたい」という市民もいる。

 しかしながら、番組で実施した調査によると、71%の人がこの保険は「絶対に嫌」と答えている。理由として「一生涯の苦労に比べ、採算が合わない」というのが圧倒的多数だった。

 番組では、不人気の根底にあるのは「中国式老後」だとする。「家は子供や孫に残したい。そのためには自分が貧乏でもいい」という、伝統的な考えが捨てきれないのである。

 社会主義と資本主義が共存する現代中国では、人々の頭の中も、新旧の概念がぶつかり合っている。人類史上まれにみる高齢化社会において、思想の改革開放は、容易ではない。