国立社会保障・人口問題研究所は2日までに、医療や介護、年金などの公的サービスに充てる社会保障給付費の2016年度総額が116兆9027億円となり、過去最高を更新したと発表した。前年度に比べ1兆5020億円(1.3%)の増加。高齢化の進行や医薬品の高額化などで歯止めがかからず給付費は伸び続けており、政府が抑制策を模索している。
社会保障給付費は税金や保険料で賄われ、利用者の自己負担は含まれない。16年度の給付額は1人当たり92万1000円で前年度から1万3000円増えた。
分野別では、年金が54兆3770億円で全体の46.5%を占め、医療38兆3965億円(32.8%)が続く。介護や子育て支援を含む「福祉その他」は24兆1291億円(20.6%)で、うち介護対策は9兆6045億円(8.2%)だった。
前年度に比べ、介護対策の伸び率は2.1%で、過去最低だった。要介護度の軽い人向けのサービスが段階的に介護保険から切り離されたことが要因とみられる。ただ、第2子以降の児童扶養手当の増額といった子育て支援の拡充などで「福祉その他」全体では4.2%と高い伸びだった。
年金は支給開始年齢引き上げなどにより0.5%増に伸びが抑えられた。医療も16年度の診療報酬改定で薬価を大幅に引き下げた影響で0.6%の微増にとどまった。
施設整備費など、個人に直接給付されない費用も含める「社会支出」は、前年度比1.2%増の119兆6384億円だった。