スマホで映画、1作品11円 ミャンマーに4G旋風

ミャンマー郵電公社と現地企業が共同開発した国産映画アプリの画面(ABCコンテンツ・ソリューションズ提供、共同)
ミャンマー郵電公社と現地企業が共同開発した国産映画アプリの画面(ABCコンテンツ・ソリューションズ提供、共同)【拡大】

  • 友人とスマホで映画を楽しむナン・ニーさん(左)=2日、ヤンゴン(共同)

 映画をスマートフォンにダウンロードして高品質な映像を楽しむ。価格は1作品約11円から。携帯電話が1人1台超にまで普及したミャンマーで第4世代(4G)通信網が急拡大し、スマホによるデジタルライフが都市を中心に広がりつつある。

 最大都市ヤンゴン在住の女性会社員、ナン・ニーさんは毎月20本ほどの映画をスマホにダウンロードし、夫や友人と鑑賞する。「以前は違法サイトの粗い画質の映画しか見られなかったが、今はきれいな画像で楽しめる」と満足している。

 ミャンマーでは2011年の民政移管後の規制緩和で、1枚150万チャット(約11万円)もしたSIMカードの価格が1000分の1以下と格安になった。10%未満だった携帯電話の普及率は急伸し、台数は1人1台に当たる5000万台を超えた。ファストフード店などでは、無料のWi-Fiも使えるようになった。

 携帯各社は昨年から、利用者の8割を占めるスマホユーザー向けの4Gサービスに参入。固定電話が普及しなかったミャンマーで、モバイル高速通信が席巻している。

 コンテンツの中身も大きく変貌した。従来、国産映画は軍事政権下の検閲で、キスシーンなどに加え、物ごいや汚職の場面も愛国心を損なうとしてカットされていた。現在は、検閲が緩くなり、ほぼ全編が楽しめる作品も増えた。映画館が国内に約100カ所しかないこともあり、人気が高まっている。

 KDDI、住友商事の合弁会社と共同運営する最大手の国営郵電公社は、国産映画を1本150チャットでダウンロードできるアプリを発表。アプリを開発した現地企業のウィン・カイン代表は「映画視聴需要はさらに伸びる。現在400のタイトルを倍以上に増やす」と意気込む。郵電公社はマレーシアのアイフリックスとも提携し、欧米映画を月額3000チャットの定額制で提供する。

 映画だけでなく、金銭のやりとりへの活用にも期待が高まる。ミャンマーの通信事情に詳しい大和総研の佐藤清一郎主席研究員は「支払いや送金などモバイルマネー機能が大きな商機になる可能性がある」と指摘した。(ヤンゴン 共同)