約800万人ともされる団塊世代が75歳以上の後期高齢者になり始める2022年度以降は、医療費などの社会保障費が急増する。財政悪化を食い止め、将来世代への負担のつけ回しを加速させないためにも、22年度の前に、できる限り社会保障改革を進めておく必要がある。
内閣府の高齢社会白書によると、16年に1691万人だった後期高齢者は、25年には2180万人まで増える見通しだ。問題なのは高齢になるほど病気になったりするリスクが高まること。加えて75歳になった人は後期高齢者医療制度へ移り、自己負担割合は原則1割となる。70~74歳の2割負担から減り、それだけ財政負担が拡大する。
内閣府によると、16~18年度に年約6500億円だった社会保障費の自然増は22年度以降、前年度比で約9000億円まで跳ね上がる見通しだ。一方、19~21年度は、数の少ない、終戦前後に生まれた人が後期高齢者になるため、自然増は比較的抑えられる。余裕のあるこの3年にできるだけ改革を進めておく必要がある。
ある政府関係者は「窓口などでの高齢者の負担増でなく、まず歳出改革を検討すべきだ」と強調する。安易に負担増に頼ると、歳出を削る意欲が緩むからだという。
だが、高齢化は急速で負担増の議論は避けて通れない。消費税率の10%から先の引き上げも「10%増税が終わればすぐ議論を始めるべきだ」(財務省関係者)との声が上がる。国民にどこまで痛みを求められるか政府・与党は覚悟を問われることになる。(山口暢彦)