【高論卓説】変わりつつある中国人の消費行動 見栄えの良さより機能・品質で選択 (2/2ページ)

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 一方、筆者は8月下旬に故郷の遼寧省瀋陽に2年ぶりに帰ったが、そこでは皆が口をそろえて「しばらくはインフレで厳しい生活が続くので、消費よりお金をためておいた方が良い」と言っていた。

 さて、中国人の消費意欲は低下し、財布のひもは固くなるのだろうか。18年上半期の小売り総額の伸びの鈍さからも、確かに消費は冷え込んでいるように見える。住宅価格高騰や所得の伸び悩みに加え、最近顕著な大都市における家賃上昇、災害のような一時的要因による野菜や生活用品の高騰、さらに米中の貿易摩擦がもたらす物価上昇の可能性が消費を圧迫しているのかもしれない。

 だが、消費者物価指数(CPI)は月ごとに変動があるものの、通年では安定しており、国内外への旅行者数の増加傾向も変わらない。

 そこで注目したいのが消費者ニーズの変化だ。12年に日本で発売された三浦展氏の『第四の消費』(朝日新書)は、中国でもヒットし、三浦氏の主張である私有主義からシェア志向、ブランド志向からシンプル志向への変化に共感する中国人は増えている。消費昇級が象徴する中国人の消費ニーズの多様化と個性化の傾向は続くと思われるが、従来のような見栄えの良いものより、機能や品質の良いモノやサービスを選ぶという消費行動に変わりつつあるのかもしれない。

                   

 【プロフィル】趙★琳(チョウ・イーリン)

 富士通総研経済研究所上級研究員。2008年東工大院社会理工学研究科修了、博士(学術)。早大商学学術院総合研究所を経て、12年から現職。麗澤大オープンカレッジ講師なども兼任。39歳。中国遼寧省出身。

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