台湾「幻のフルーツ」を対日輸出 アイスのような食感でコーヒーとの相性も良し

急速冷凍された後、食べるために解凍された釈迦頭の断面(金谷かおり撮影)
急速冷凍された後、食べるために解凍された釈迦頭の断面(金谷かおり撮影)【拡大】

  • 台湾産釈迦頭の対日輸出を発表した台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(右から2人目)と、主要産地である台東から訪日した台東地区農会の李建通総幹事(左、金谷かおり撮影)

 台湾は特産果物の一つである「釈迦頭(しゃかとう)」(バンレイシ)の対日輸出に乗り出した。年間100トンの輸出を見込んでいる。

 台北駐日経済文化代表処がこのほど、都内で発表した。見た目がお釈迦様の頭に似ているため釈迦頭と呼ばれ、糖度が17~25度と甘く、クリーミーな食感が特徴。「シュガーアップル」との英名もある。実が軟らかく、検疫のための処理や運搬上の問題から、これまで輸出先は中国や香港、東南アジアなどに限られていた。

 今回、果物の輸出や加工を手がける台湾企業が、果実を零下50度に凍らせる急速冷凍技術を開発したことで日本への輸出が可能となった。急速冷凍することで風味や食感も保てるという。同技術により、昨年から米国への輸出も始まった。

 現在、日本の代理店と契約に向けた交渉を進めており、販売方法や価格についても今後、決めていく。台湾のネット通販では3キログラムで1000台湾元(約3700円)前後で売られている。

 発表会に出席した謝長廷駐日代表は「日本の多くの消費者に台湾の『幻のフルーツ』を食べていただきたい」と述べた。

 冷凍された釈迦頭は、常温で1時間置き、半分に切ってスプーンですくうなどして食べる。解凍後すぐはアイスクリームのような食感も楽しめ、ブラックコーヒーとの相性がいいという。(金谷かおり)