
11カ月ぶりに総会を再開した政府税制調査会=10日午後、東京都千代田区の財務省【拡大】
政府税制調査会は10日、11カ月ぶりに総会を再開し、安倍晋三政権がテーマに掲げる「人生100年時代」の到来を見据え、老後の資産形成を支援する税制改正の検討に着手した。所得、資産など論点は多岐にわたるため、2~3年かけ方向性を探る方針だ。来年10月に予定される消費税率10%への引き上げについては「需要の反動減対策を確実にすべきだ」といった声が上がった。
年金財政への不安が広がる中、公的年金を補完する自助努力型の金融商品として、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」や小口の証券投資を優遇する少額投資非課税制度(NISA)などの普及が進んでいる。
ただ制度が複雑で、金融商品ごとに税優遇の内容が異なるといった課題があるため、税調の委員から金融資産に対する課税の簡素化などを含めた検討を行うべきだとの指摘があった。
このほか、勤続年数が20年を超えると税額の控除額が大きくなる退職金への課税について、転職が増えている最近の働き方にそぐわなくなっているとの意見や、相続する人の経済的な負担の軽減などを念頭に相続税や固定資産税を見直す余地があるとの言及もあった。
税調の中里実会長は総会後の記者会見で「中間層のうち(経済的に)辛い立場に置かれている人たちに配慮し、税制でできることを技術的に議論していきたい」と話した。
一方、消費税率10%への引き上げについては、景気が良いことや社会保障財源の確保が急務であることを理由に、多くの委員が予定通り引き上げるべきとの見解を示した。
増税に伴い導入される軽減税率制度で食品など生活必需品の税率が低く抑えられるため、前回の8%への増税時より消費や経済への影響が小さくなることを、国民にしっかり周知すべきだとの意見もあった。